東三河唯一の神具専門店 鳥居屋神具店（豊川市）

　豊川稲荷（愛知県豊川市）門前の「いなり参道御利益通り」は数多くの土産物店が軒を連ねるが、鳥居屋神具店は東三河唯一の神具店として知られている。今回、取材に応じてくれたのは鳥居宏枝氏、地元の出身である。
　同店の歴史は今から七十五年前、先々代の神主であった三二氏が創業。それ以前は代々、豊川稲荷の門前に住んでいた。三二氏の妻であるやへ氏、その娘のたへ子氏、そして嫁の宏枝氏と現在に至るまで女性が店の経営を担ってきた。毎年、参拝の折りにはおなじみの客があまた訪れる。
　店舗は平成二年にリニューアル。店内は約三十坪、神棚をはじめ、神具なら何でも揃う。商品のアイテム数は有に二〇〇〇を越えるという。豊川稲荷は神仏習合ということもあり、仏具・念珠・線香・お香などの小物も豊富。
　最も多忙な時期はもちろん、正月である。豊川稲荷には三が日だけで約百二十万の人が訪れ、一年を通して参拝客が絶えない。ＪＲ豊川駅、名鉄豊川稲荷駅下車徒歩五分。
◎鳥居屋神具店　豊川市門前町三三　ＴＥＬ・ＦＡＸ〇五三三（八六）三〇七六

宗教工芸新聞2004年11月号掲載