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約四百年の歴史を誇る濱佛壇 宮川浜佛壇店(長浜市) [仏壇店だより]

 滋賀県長浜市内にある宮川浜佛壇店は濱佛壇の製造販売を行っている。同店の創業は明治元年、社長の宮川勝廣氏は三代目にあたる。この店をオープンしたのは約十六年前で以前は市内中心部に店があった。
 濱佛壇は江戸時代から長浜で続く曳山製作で培われた彫刻・漆工・金工などの高度な技術が活かされており、数ある金仏壇の中でも豪華なものだが、その原型は和泉(いずみ)壇に遡る。
 和泉壇は江戸時代に湖北町の和泉神社本殿を造営したことから藤岡和泉を名乗った藤岡家一門がその様式を確立したもので、現在でも江戸時代に製作された和泉壇は滋賀県の旧家に現存しているという。
 宮川社長の話ではつい先日も約二百三十年前に製作された和泉壇の修理・洗濯を手がけたとのこと。すでに数回も洗濯されており、分解するとその当時たずさわった職人の名前が残っており、歴史的価値の高いものであることに過言はない。
 濱佛壇の特色をあげると木地に特別な配慮を払い充分な乾燥の上、一切の接着剤・釘等を使用しない構架組立方式によって組み上げられること、彫刻は欅若しくは桧の丸彫りで白木のまま使用するなど、耐久性のある佛壇として長期間の保存、使用に耐えることができる。 
 宮川社長は職人であり濱佛壇では数少ない塗師の一人、また濱佛壇工藝会の会長を長期にわたって務めている。高齢化、後継者不足にありながら、三人息子のうち長男の一豊さんが店の経営にあたっている。
 訪れる客の多くは滋賀県内が中心、時々他県から足を伸ばす客もいる。客層はミドルエイジの方が多く、殆どがお東さん。
 長浜市は約六万人の町。歴史の古い町で名所・旧跡が多く、最近、観光客も増加中。曳山博物館も観光スポットのひとつである。観光地化しつつある長浜市の伝統工芸品として、PR活動に力をいれていきたいと最後に語ってくれた。
◎宮川浜佛壇店 滋賀県長浜市平方町一〇六七ー三 TEL〇七四九(六二)二四一四 FAX〇七四九(六二)二四六一
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宗教工芸新聞2002年11月号掲載
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